魚の模型を作りたくなりました。
実在の魚種をモデルに、MDF材から削り出して立体的な模型に仕上げます。設計図から完成まで、一連の工程を記録していきます。
設計図を描く¶
まずは紙にスケッチを描くところから。
作りたい魚のシルエットと模様を、原寸大で描いていきます。
鱗の模様や模様の配置まで細かく描き込んでおきます。
この設計図がそのまま型紙になるので、丁寧に。
胴体部分とヒレは別々に切り出します。
MDF材に貼り付けて、輪郭に沿って切り出す準備ができました。
魚によって模様が全然違うので、それぞれ参考資料を見ながら描いていきます。
この作業が意外と時間かかりますが、後工程を考えると手を抜けません。
コブダイは背ビレの形状が特徴的なので、そこを強調した設計にしました。
MDF材を切り出す¶
設計図ができたら、MDF材に貼り付けてバンドソーで粗切りします。
設計図を貼り付けたまま切り出すのがポイントです。
クランプでしっかり固定して、ナイフで削る作業に入ります。
細長い魚種は寸法を測りながら慎重に。
設計図と並べて形を確認しながら進めます。
粗削りからナイフで形を整えていきます。
魚の丸みを出すために、エッジ部分を少しずつ削っていく地道な作業です。
イシダイも作る¶
シイラやアマダイだけでなく、イシダイも作ります。
イシダイは縞模様が特徴的なので、設計段階で模様の配置をしっかり決めておきます。
複数の底物魚類のスケッチの上に、切り出したパーツを重ねて確認。
胴体とヒレのパーツが揃いました。
立体的な魚とは違う表現方法で仕上げていきます。
背景には完成した模型も並んでいます。
複数の魚種を並行して作っていく楽しさがあります。
スタンドに固定¶
削り出しが終わったら、透明アクリル棒と木製スタンドに固定します。
透明アクリル棒で胴体を支えることで、魚が泳いでいるような浮遊感を出せます。
イシダイの背ビレの形状が立体的に見えるのが気に入っています。
この状態で塗装前の最終確認をします。
左側に未塗装の模型が3体、背景に塗装済みの完成品。
こうやって並行して進めていくと効率が良いです。
塗装工程¶
いよいよ塗装です。
アクリル絵の具で、実在の魚種の体色を再現していきます。
まずは下塗りでベースカラーを入れていきます。
グラデーションを意識して、背中側と腹側で色を変えます。
白の下塗りが終わった状態。
ここから本番の着色に入ります。
鉛筆でアウトラインを描いてから塗っていきます。
イシダイの縞模様を入れていく作業です。
イシダイの背ビレの立体感が塗装前でもしっかり出ています。
MDF材から削り出した形状が分かりやすい状態です。
塗装前と塗装後の比較。
色が入ると一気に「魚らしさ」が出ます。
完成作品¶
ここからは完成した模型を紹介していきます。
アマダイの模型が完成。
ピンク色の体色に黄色と青のドット模様がアクセントになっています。
シイラの模型。黄色と緑のグラデーションに青いドット模様を入れました。
背ビレの立体感もしっかり出せたと思います。
シイラを正面から見たアングル。
透明アクリル棒で支えることで、泳いでいるような躍動感が出ています。
3種類を並べてみました。
それぞれ違う魚種なので、配色もドット模様も全部違います。
サワラの模型。白とグレーに黒いドット模様で、サワラの特徴を再現しました。
細長いシルエットが特徴的です。
5体並べると壮観です。
シイラ、アマダイ、サワラ、コブダイの幼魚と、バリエーションが揃いました。
ヒラメも完成。
ベージュとグレーのグラデーションに黒いドットで、海底に潜む姿を表現しました。
こちらはコブダイの幼魚の模様を描く前の状態。
単色で塗った段階ですが、形状の美しさがストレートに伝わります。
コブダイの幼魚の模型。オレンジから茶色のグラデーションに、黄色や白のドット模様を細かく描き込んでいます。
幼魚特有の鮮やかな体色を再現しました。
カサゴを含む完成作品の集合写真。
木製スタンドと透明アクリル棒の組み合わせで、それぞれの魚が泳いでいるように見えます。
作業環境¶
最後に作業環境も記録しておきます。
クランプ、電動工具、設計図が所狭しと並んでいます。
オレンジ色のクランプは特によく使いました。
まとめ¶
MDF材から魚模型を制作しました。
工程:
1. 紙に設計図を描く(鱗・模様まで細かく)
2. 設計図をMDF材に貼り付け、バンドソーで粗切り
3. ナイフで手作業削り、形を整える
4. 透明アクリル棒と木製スタンドに固定
5. アクリル絵の具で塗装
シイラ、アマダイ、サワラ、イシダイ、コブダイの幼魚、カサゴ、タイ、ヒラメなど、実在の魚種をモデルに複数体制作できました。
設計図を丁寧に描くことが仕上がりを左右するので、そこに時間をかけるのがポイントかもしれません。
次は違う魚種にも挑戦してみたいと思います。