シャチを作りたくなった理由

鴨川シーワールドと名古屋港水族館でシャチを見ました。
あの白と黒のコントラスト、流線型のフォルム、そして水中を滑るように泳ぐ姿がとても印象的でした。

これまで魚の模型をいくつか作ってきて、だいぶ要領がつかめてきたところ。
今回はその経験を活かして、シャチの模型に挑戦することにしました。

スケッチから始める

シャチのスケッチ。白黒の模様の位置を確認しながら描いたラフ画

まずは紙にシャチの形を描いていきます。
シャチの特徴である白い模様の位置を確認しながら、全体のバランスを把握します。

目の後ろの白い斑点(アイパッチ)、背びれの後ろにある灰色の模様(サドルパッチ)、そして腹側の白い部分。
これらの模様をどう塗り分けるかがシャチらしさの決め手になります。

MDFを削り出す

MDFを削り出した素体。スタンドに取り付けた状態で斜めから撮影

スケッチをもとにMDFを削っていきます。
胸びれは別パーツで作り、本体に接着しました。

素体を正面やや斜め上から撮影。背びれの形状と全体のシルエットがよく見える

シャチは背びれが大きいのが特徴です。
特にオスの背びれは体長の10%以上にもなるそうで、ここを強調して造形しました。

魚の模型を作ってきた経験が役に立っています。
流線型の削り出しや、ひれの薄さの出し方は、以前より手際よくできるようになりました。

塗装工程

白塗装

白いグロス塗料を吹いた状態。全体が光沢のある白で均一に塗装されている

まず全体に白いグロス塗料を吹きます。
この白がそのまま、腹側やアイパッチなど白い部分の仕上がりになります。

マスキングして黒塗装

黒く塗装した状態。光沢のある黒が美しく仕上がっている

白く残したい部分をマスキングテープで覆い、黒を吹いていきます。
目の後ろのアイパッチ、腹部、胸びれの下側など、シャチの白い模様の形にマスキングするのがポイントです。

シャチの黒は艶のある黒なので、こちらも光沢塗料を使用しました。

マスキングを剥がす

マスキングを剥がした状態。アイパッチとサドルパッチ、腹部の白い模様が現れている

黒が乾いたらマスキングを剥がします。
下の白い塗装が現れて、シャチ特有の白黒模様が出てきました。

マスキングの境界がきれいに出るか、ここが一番緊張する瞬間でした。
シャチの模様は個体によって微妙に異なるそうですが、今回は典型的なパターンで仕上げました。

完成

完成したシャチの模型。木製スタンドに取り付けて側面から撮影。光沢のある黒と白のコントラストが美しい

クリアコートを吹いて完成です。
光沢のある仕上がりが、水中のシャチの肌を思わせます。

完成品を反対側から撮影。胸びれや尾びれの形状がよく見える

反対側から見ると、腹部の白い部分がよく見えます。
胸びれの下側も白く塗り分けました。

水族館で見たシャチの姿を、なんとか形にできたと思います。
魚の模型で培った経験が活きて、思っていたよりスムーズに制作できました。

次は何を作ろうか、また水族館に行きたくなってきました。