2024年9月、地球に接近中のアトラス彗星(C/2023 A3)が明け方の東の空に見えるようになりました。この貴重な天体現象を撮影しに、東が開けた高い場所として池田山へ向かいました。
池田山を選んだ理由¶
アトラス彗星は現在地球に近づいている最中で、明け方の東の空に見えます。東の空が開けた高い場所という条件で、池田山が最適だと判断しました。岐阜県と滋賀県の境に位置するこの山は、関西平野を一望できる絶好の立地です。
昼間に見る池田山からの眺望です。東方向の視界が非常に開けており、関西平野を一望できます。この開放感が、明け方の彗星観測には理想的な条件となります。
同志との出会い¶
現地に到着すると、他にも天体撮影をされている方々がいらっしゃいました。同じ目的で池田山を選んだ天文愛好家たちとの出会いは、この趣味の楽しさの一つでもあります。
撮影時の現実¶
しかし、実際に撮影している時には彗星は全然見えませんでした。肉眼では確認することができず、写っているかどうかもわからない状況でした。薄明かりが始まった空の中で、果たしてアトラス彗星を捉えることができているのか、半信半疑のまま撮影を続けました。
ところが、帰宅してから写真を確認すると、なんと写っていました!画面中央上部に、アトラス彗星の短い尾がはっきりと写っています。薄明かりの美しいグラデーションの中に浮かぶ彗星と、下部に広がる関西圏の夜景との対比が印象的です。
写真に写った奇跡¶
同じ構図で複数枚撮影していたおかげで、確実にアトラス彗星を捉えることができました。肉眼では見えなくても、カメラの長時間露光によって彗星の美しい姿が浮かび上がったのです。
撮影時は彗星が見えなかったため構図の調整ができず、後からトリミングで何とか見栄えの良い写真に仕上げました。まさに「実は写っていた」という嬉しい発見でした。
次回への期待¶
アトラス彗星は今後、夕方の西の空に見えるようになります。今度は別の山で、西の空が開けた場所からの撮影に挑戦したいと思います。今回の経験を活かして、より良い条件での観測を目指します。
おわりに¶
肉眼では確認できなかったアトラス彗星でしたが、カメラが捉えた美しい姿を見ることができました。天体写真の魅力の一つは、目では見えないものを記録できることです。池田山の素晴らしい立地と、カメラの力によって、貴重な天体現象を記録することができました。
次回の西の空での観測が今から楽しみです。アトラス彗星との再会を期待して、また山に向かいたいと思います。