ドローンを飛ばせる場所を探して三重方面に来たものの、めぼしいポイントは見つかりませんでした。
せっかくだから何か観光でもしようと調べていたところ、「六華苑」という場所が出てきました。

なにか実業家のお屋敷らしいです。入場料460円ということで、とりあえず入ってみることにしました。

到着

六華苑の全景。水色の洋館と和館が隣接している

入口を抜けると、水色の洋館と瓦屋根の和館が並んで建っています。
この組み合わせ、正直想像していなかったので少し驚きました。

円筒形の塔を持つ4階建ての洋館が目を引きます。
広い芝生の前庭から眺めると、明治時代の実業家がどれだけ財を成していたのか、なんとなく想像できます。

日本庭園

広大な日本庭園。飛び石と石灯籠が配置されている

庭園に入ると、冬枯れの芝生に白い飛び石が曲線を描いています。
中央には石灯籠、周囲には手入れされた松の木々。

曇り空でしたが、池泉回遊式庭園というのでしょうか、静かで落ち着いた雰囲気でした。

和館内部

和館の長い廊下。畳敷きの通路が奥へ続く

和館に入ると、畳敷きの廊下が奥へと続いています。
左右には障子と襖で仕切られた和室が並び、格子窓から柔らかな光が差し込んでいます。

和館大広間から庭園を望む

大広間では、障子を全開にすると庭園の松が額縁のように切り取られて見えます。
畳の上に座って眺めていると、当時の主人がどんな気持ちで庭を見ていたのか、少しだけ想像できた気がします。

縁側から見下ろす日本庭園

縁側からは庭石と石灯籠が見下ろせます。
苔むした岩の間を小さな流れが通り、冬の静けさの中にも趣があります。

洋館内部

洋館の食堂。深紅の絨毯にマホガニーのテーブル

洋館に移動すると、雰囲気ががらりと変わります。
深紅の絨毯が敷かれた食堂には、重厚なマホガニーのダイニングテーブルと椅子。
壁にはダマスク織りの壁紙、暖炉と鏡が設えられています。

洋館の展示コーナー。革製トランクと歴史資料

廊下には年季の入った革製トランクが並び、壁には当時の写真や絵画が展示されています。
この邸宅の主がどんな暮らしをしていたのか、歴史の断片を垣間見ることができます。

洋館2階のサンルーム。籐製のロッキングチェア

2階に上がると、三方をガラス窓に囲まれたサンルームがありました。
籐製のロッキングチェアが置かれ、窓越しに庭園と松林を見下ろせます。
当時の主人が日向ぼっこをしながら庭を眺めていたのでしょう。

洋館2階の廊下。アーチ状の大窓から光が差し込む

洋館の廊下は白壁と木製の窓枠、濃い色のフローリングが続く開放的な空間でした。
アーチ状の大窓から自然光が差し込み、屋内外が一体となった設計の妙を感じます。

休憩と庭園散策

敷地内の休憩スペース

見学の途中、敷地内の休憩スペースで一息つきました。
格子天井に丸い和風照明、窓の向こうには和館と庭園が見えます。

庭園内の茶室

庭園を歩いていると、木々に囲まれた茶室を見つけました。
入母屋造りの屋根に格子模様の壁面、傍らには石灯籠。
夕方の柔らかな光が建物を包み、日本庭園の奥深さを感じさせる一角でした。

見学を終えて

夕暮れ時の六華苑洋館

帰り際に振り返ると、夕暮れ時の曇り空を背景に水色の洋館がそびえていました。
左手には和館へと続く渡り廊下が見え、和洋折衷の邸宅全体が一望できます。

入場料460円でこれだけ見られるのは、正直なところ期待以上でした。
ドローンポイントは見つかりませんでしたが、思いがけず良い場所に出会えたので良しとします。

まとめ

  • 所在地: 三重県桑名市
  • 入場料: 460円
  • 見学時間: 約45分(じっくり見れば1時間程度)
  • 特徴: 明治時代の実業家邸宅。水色の洋館と日本家屋が隣接する珍しい和洋折衷建築
  • 庭園: 池泉回遊式の日本庭園、茶室あり