先日、病院の帰りに揖斐川沿いを車で走っていたら、川の上を猛禽類が飛んでいるのが見えました。
海では結構見かけるのですが、大垣あたりにもいるんですね。これはいっぺん撮ってみたいと思い、チャレンジしてみることにしました。
堤防に到着¶
朝9時頃、車で大野町あたりの揖斐川沿いの堤防を走ります。
ただ、堤防の上だと車を止めるのが難しくて、しばらくウロウロしました。堤防を降りたところに駐車場があったので、そこに車を止めて鳥がいるかどうか様子を見ます。
まず目に入ったのは、水面すれすれを2羽のカモが並んで飛んでいく姿でした。
枯れ草の河原に石がごろごろした川辺の風景。3月半ばですが、まだ冬の名残りがあります。
続いて、白い大きな鳥が枯れ野原の上を飛んでいきました。ダイサギです。
純白の羽が枯れ草色の背景に映えて、なかなか絵になります。黄色いくちばしと黒い脚がはっきり見えました。
トビ登場¶
しばらく待っていると、遠くの方から「ピーヒョロロ」という鳴き声が聞こえてきます。
トビですね。どうもいるようです。
上昇気流に乗って、ゆっくりと円を描くように飛んでいます。
トビの飛び方は独特で、翼を大きく広げたまま、ほとんどはばたかずに旋回します。扇形に広がった尾羽のシルエットがトビらしいですね。
しばらく待っていたら、近くまで来てくれました。
茶褐色の羽毛の模様や、白っぽい頭部、鋭い眼がはっきり写っています。青空をバックに堂々と滑空する姿は、やはり猛禽類ならではの迫力があります。
オオタカ発見¶
トビを撮影していると、もう1羽、明らかに飛び方が違う鳥が入ってきました。
帰ってから調べてみると、オオタカのようです。
灰色がかった体色に、腹部から翼の下にかけて細かい横縞模様が入っています。トビと比べると一目瞭然で、飛び方がまったく違います。
トビは上昇気流に乗ってゆっくりと円を描くように飛びますが、オオタカはバタバタとはばたいて飛びます。
同じ猛禽類でもこれだけ飛び方が違うのは面白いですね。
まとめ¶
30分ほどの短い時間でしたが、カモ、ダイサギ、トビ、オオタカと4種類の鳥を撮ることができました。
海で猛禽類を見かけることはありましたが、揖斐川の堤防でも出会えるとは思いませんでした。
次はもう少し長い時間粘って、もっと近くで撮れるように工夫してみたいです。
付録:トビとオオタカ、飛び方が違う理由¶
今回の撮影で一番面白かったのが、同じ猛禽類なのにトビとオオタカで飛び方がまったく違うことでした。
帰ってから調べてみると、この飛び方の違いは食性や狩りのスタイルと深く関係しているようです。
トビ — 省エネの空中パトロール¶
トビの飛び方は「帆翔(ソアリング)」と呼ばれるもので、地表が太陽に温められて発生する上昇気流に乗り、翼をほとんどはばたかずに旋回します。
エネルギー消費が非常に少ない飛び方です。
これはトビの食性と密接に関係しています。トビは猛禽類のなかでは珍しい雑食性で、動物の死体(腐肉)、カエル、トカゲ、ネズミ、魚など、幅広いものを食べます。いわゆるスカベンジャー(腐肉食者)としての側面が強い鳥です。
つまり、積極的に獲物を追いかけるというより、上空から広い範囲を見渡して餌を探すスタイルです。視力は7〜10とも言われ、上空を旋回しながら地上の獲物を見つけると、急降下して捕らえます。
省エネで長時間飛び続けられるソアリングは、この「広く探して見つけたら降りる」という狩りに最適な飛び方というわけです。
オオタカ — 森の高速ハンター¶
一方、オオタカの飛び方は「はばたきとグライディング(滑空)を交互に繰り返す直線的な飛行」が基本です。
トビのようにゆったり旋回することもありますが、普段はバタバタと力強くはばたいて、スピードを出して飛びます。
オオタカは主に生きた鳥を狩る「バードハンター」です。ハトやムクドリ、カラスなどの中型の鳥を好んで捕食します。
森の中を高速で飛びながら木々の間をすり抜けて獲物に急接近するため、瞬発力と機動性が求められます。
体の構造もそれに適応していて、トビに比べて体は小さめで、長い尾羽が空中でのブレーキや急な方向転換に役立っています。
短く丸みのある翼は、森林内での小回りの利く飛行に向いています。
飛び方の比較¶
| トビ | オオタカ | |
|---|---|---|
| 飛び方 | ソアリング(旋回・滑空) | はばたき+グライディング(直線的) |
| 翼の形 | 長くて幅広い | 短めで丸みがある |
| 尾羽 | 扇形(バランス維持) | 長い(ブレーキ・方向転換) |
| 食性 | 雑食・腐肉食(スカベンジャー) | 生きた鳥を狩る(バードハンター) |
| 狩りの方法 | 上空から発見→急降下 | 高速飛行で接近→急襲 |
| 活動場所 | 開けた空域 | 森林内〜林縁 |
同じ猛禽類でも、何を食べるかによって飛び方も体の形も全然違ってくるんですね。
こういうことを知ってから鳥を見ると、「あ、あの飛び方はソアリングだから何かを探しているのかな」とか、「はばたきが速いから狩りモードかも」とか、見え方が変わってきます。