JP-MiniSynth の鍵盤
押し込む深さで、
音を変える。
JP-MiniSynth の鍵は、速さだけでなく、今どこまで押されているかを読み続けます。指の深さが、そのまま音になる仕組みを解説します。
Why
押し始めから底まで、全部読む。
一般的な鍵盤は、接点が閉じる時間差で押す速さを読みます。
JP-MiniSynth のスイッチには磁石が入っていて、真下のセンサーが磁気の強さを読みます。接点が無いので、押し始めから底まで、全部の位置を読み取れます。
Reading
17 鍵を、ずっと読み続ける。
鍵ごとに磁石とホールセンサーが 1 組ずつあります。その値を読み取り、ESP32-S3 が鍵ごとの深さを計算します。
指を止めていれば、読み取る値はほとんど揺れません。
Response
押し込んだ分だけ、音が変わる。
磁気は磁石が近づくほど急に強くなります。そこで、磁気の値を実際の押し込み量に換算し、手で感じる深さに音の変化を合わせました。
Try it
深さを動かしてみる
スライダーを動かすと、鍵を押し込んだときの値の変化を確かめられます。
押し込み量(mm)は計算値です。
SWELL PAD などの深さ弾きの音色は、約 0.5mm で鳴り始め、約 3.0mm で最大になります。底まで押さなくても、音色そのままで鳴ります。
Playing
底まで押すと、音色そのまま。
鍵は底に当たると止まり、それ以上は押せません。底からさらに力を入れても、値はほとんど変わりません。そこで、底まで押した状態を音色そのままの音にして、浮かせた分だけ弱める作りにしました。
3 つの弾き方は音色ごとに決まっていて、音色を選ぶと自動で切り替わります。鍵盤らしく弾きたい音色は打鍵、音を伸ばして歌わせたい音色は深さ弾きです。
Chords
和音の、1 音ずつ。
普通のアフタータッチは、1 つの値が全部の音に効きます。JP-MiniSynth は、鍵の深さを、その鍵の音だけに効かせます。ド・ミ・ソを押さえて、ミだけを浮かせることができます。
Try it
3 本の指を動かしてみる
バーの高さは音の強さの目安です。左は全部の音に同じ値(1 番深い鍵の値)が効く場合、右が JP-MiniSynth です。
Sounds
どの音色で、何が変わるか。
深さで変わるものは音色ごとに決めています。39 音色のうち 20 音色が深さ弾きです。どれも底まで押すと、その音色の本来の音で鳴ります。
| 音色 | 浮かせると | 効果 |
|---|---|---|
| SWELL PAD・WARM PAD・CHOIR AH | 小さく、暗くなる | 和音の 1 音ずつを膨らませる |
| BOW STRINGS・STR+LEAD | 小さく、暗くなる | 弓で弾くような抑揚 |
| SYNTH BRASS・BRASS | 小さく、暗くなる | 息で吹くような立ち上がり |
| STRAIGHT・SHINY LEAD・SUPER SAW | 少し小さく、大きく暗くなる | 深く押すほど鋭いリード |
| GYUN LEAD・SOFT LEAD | 少し小さく、暗くなる | 奥でうねりも掛かる |
| SYNC LEAD・DEPTH SYNC | 金属的なうなりが弱まる | 押し込むほど「ギュイーン」と鳴る |
| BEND KEYS(打鍵) | ゆっくり浮かせた音だけ音程が下がる | 和音の 1 音をチョーキングする |
深さ弾きの音色は、弾く強さではなく鍵の深さで音が変わります。EP KEYS・GLASS BELL・ベース・オルガン・ARP 入りの音色は、弾く強さで音が変わります。
Calibration
鍵ごとに、測って合わせる。
磁石とセンサーの距離には、鍵ごとにわずかな差があります。そこで、離した位置と底の位置を鍵ごとに測って保存します。測った値は、ファームウェアを更新しても残ります。

- SHIFT を入れて BACK を 2 秒押す
- 全部の鍵を離して ENTER
- 17 鍵を 1 つずつ底まで押す
- 全部離して ENTER で保存
Measured
試作機で測った値。
| 項目 | 測定値 |
|---|---|
| 全体の幅 | 約 1,590 カウント(12 ビット) |
| 鍵を止めているときの揺れ | 1〜5 カウント |
| 途中の深さで保つ | 音が鳴る深さで 3 秒保ったとき、変動 0.1〜0.8%。浅い位置で 2.4 秒保ったとき、変動 4〜7% |
| 底からさらに押し込んだとき | 全体の約 3% 以下(音には使いません) |
| 鍵ごとの差 | 底の値で最大 約 9%(4 鍵で測定。校正で合わせます) |
開発中の試作機 1 台での測定値です。押し込み量(mm)は計算値です。