JP-MiniSynth の鍵盤

押し込む深さで、
音を変える。

JP-MiniSynth の鍵は、速さだけでなく、今どこまで押されているかを読み続けます。指の深さが、そのまま音になる仕組みを解説します。

Why

押し始めから底まで、全部読む。

一般的な鍵盤は、接点が閉じる時間差で押す速さを読みます。

JP-MiniSynth のスイッチには磁石が入っていて、真下のセンサーが磁気の強さを読みます。接点が無いので、押し始めから底まで、全部の位置を読み取れます。

接点の鍵盤 接点 1接点 2 閉じた瞬間しか分からない 磁気軸(JP-MiniSynth) N 3.5mm ホールセンサー 全部の位置が連続で分かる
考え方を示す模式図です。実物の寸法ではありません。

Reading

17 鍵を、ずっと読み続ける。

鍵ごとに磁石とホールセンサーが 1 組ずつあります。その値を読み取り、ESP32-S3 が鍵ごとの深さを計算します。

磁石スイッチの中ホールセンサーDRV5055 × 17ADCADS7953 × 2(12 ビット)ESP32-S3深さと音を計算
音を計算している間も、鍵の深さを読み続けます。

指を止めていれば、読み取る値はほとんど揺れません。

Response

押し込んだ分だけ、音が変わる。

磁気は磁石が近づくほど急に強くなります。そこで、磁気の値を実際の押し込み量に換算し、手で感じる深さに音の変化を合わせました。

Try it

深さを動かしてみる

スライダーを動かすと、鍵を押し込んだときの値の変化を確かめられます。

押し込み量(mm)は計算値です。

SWELL PAD などの深さ弾きの音色は、約 0.5mm で鳴り始め、約 3.0mm で最大になります。底まで押さなくても、音色そのままで鳴ります。

Playing

底まで押すと、音色そのまま。

鍵は底に当たると止まり、それ以上は押せません。底からさらに力を入れても、値はほとんど変わりません。そこで、底まで押した状態を音色そのままの音にして、浮かせた分だけ弱める作りにしました。

00.511.522.533.5mm打鍵ベロシティ速さを測る押し込み深さ弾き14 音色深さがそのまま音になる音色そのまま吹くウィンド 4 音色息奥
「打鍵」は約 3mm で鳴り、押す速さで強さが決まります。押し込み量は計算値です。

3 つの弾き方は音色ごとに決まっていて、音色を選ぶと自動で切り替わります。鍵盤らしく弾きたい音色は打鍵、音を伸ばして歌わせたい音色は深さ弾きです。

Chords

和音の、1 音ずつ。

普通のアフタータッチは、1 つの値が全部の音に効きます。JP-MiniSynth は、鍵の深さを、その鍵の音だけに効かせます。ド・ミ・ソを押さえて、ミだけを浮かせることができます。

Try it

3 本の指を動かしてみる

バーの高さは音の強さの目安です。左は全部の音に同じ値(1 番深い鍵の値)が効く場合、右が JP-MiniSynth です。

1 つの値が全部に効く場合

音ごとに効く(JP-MiniSynth)

Sounds

どの音色で、何が変わるか。

深さで変わるものは音色ごとに決めています。39 音色のうち 20 音色が深さ弾きです。どれも底まで押すと、その音色の本来の音で鳴ります。

音色浮かせると効果
SWELL PAD・WARM PAD・CHOIR AH小さく、暗くなる和音の 1 音ずつを膨らませる
BOW STRINGS・STR+LEAD小さく、暗くなる弓で弾くような抑揚
SYNTH BRASS・BRASS小さく、暗くなる息で吹くような立ち上がり
STRAIGHT・SHINY LEAD・SUPER SAW少し小さく、大きく暗くなる深く押すほど鋭いリード
GYUN LEAD・SOFT LEAD少し小さく、暗くなる奥でうねりも掛かる
SYNC LEAD・DEPTH SYNC金属的なうなりが弱まる押し込むほど「ギュイーン」と鳴る
BEND KEYS(打鍵)ゆっくり浮かせた音だけ音程が下がる和音の 1 音をチョーキングする

深さ弾きの音色は、弾く強さではなく鍵の深さで音が変わります。EP KEYS・GLASS BELL・ベース・オルガン・ARP 入りの音色は、弾く強さで音が変わります。

Calibration

鍵ごとに、測って合わせる。

磁石とセンサーの距離には、鍵ごとにわずかな差があります。そこで、離した位置と底の位置を鍵ごとに測って保存します。測った値は、ファームウェアを更新しても残ります。

液晶のキャリブレーション画面。CALIBRATE の札と案内の文、鍵盤の並びの 17 本のバーが出ている
校正の画面(シミュレーターの表示)。押した鍵のバーが伸び、終わるとライム色になります。
  1. SHIFT を入れて BACK を 2 秒押す
  2. 全部の鍵を離して ENTER
  3. 17 鍵を 1 つずつ底まで押す
  4. 全部離して ENTER で保存

Measured

試作機で測った値。

項目測定値
全体の幅約 1,590 カウント(12 ビット)
鍵を止めているときの揺れ1〜5 カウント
途中の深さで保つ音が鳴る深さで 3 秒保ったとき、変動 0.1〜0.8%。浅い位置で 2.4 秒保ったとき、変動 4〜7%
底からさらに押し込んだとき全体の約 3% 以下(音には使いません)
鍵ごとの差底の値で最大 約 9%(4 鍵で測定。校正で合わせます)

開発中の試作機 1 台での測定値です。押し込み量(mm)は計算値です。

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