初夏の杭瀬川へ¶
2022年6月3日の夕方、杭瀬川にゲンジボタルの撮影に出かけました。この季節、杭瀬川の川沿いではたくさんのゲンジボタルが舞い踊る美しい光景を見ることができます。
18時42分、まずは杭瀬川周辺の美しい田園風景を撮影しました。夕日が山際に沈みかけ、水田に美しい夕焼けが映り込んでいます。この時間帯はまだ蛍の活動時間ではありませんが、これから始まる蛍狩りへの期待が高まります。
蛍狩りへ向かう¶
19時11分、日が沈み始めると、多くの人々が自転車で杭瀬川の蛍スポットに向かっています。地元の人々にとって、この時期の蛍狩りは毎年の恒例行事。家族連れやカップル、写真愛好家たちが三々五々と川沿いの道を進んでいきます。
ゲンジボタルとの出会い¶
21時17分、ついにゲンジボタルを捕まえることができました。手のひらで優しく包むと、ゲンジボタルの美しい黄緑色の光が指の間から漏れて見えます。この神秘的な生物発光は、まさに自然の奇跡。短時間観察した後、そっと川沿いの草むらに返してあげました。
幻想的な光の軌跡¶
夜が更けると、いよいよ長時間露光撮影の本番です。杭瀬川の川沿いで、数分間シャッターを開けっ放しにして蛍の飛行軌跡を撮影しました。川の壁際には本当にたくさんのゲンジボタルが舞っており、その光の軌跡が写真に美しく記録されています。
別の角度からも撮影を試みました。杭瀬川の流れと蛍の光の軌跡が織りなす幻想的な光景。水面近くを飛び交う蛍たちの光が、まるで小さな妖精たちが踊っているかのような美しいラインを描いています。
ゲンジボタルについて¶
ゲンジボタルは日本固有種で、6月から7月にかけてが最も活動的になります。杭瀬川のような清流を好み、幼虫はカワニナという巻貝を餌として育ちます。成虫になると交尾のために発光し、オスは飛びながら、メスは草の上で光って相手を探します。
長時間露光撮影では、蛍の発光パターンと飛行経路が美しい軌跡として記録されます。今回の撮影では、川の壁に沿って飛ぶ蛍たちの習性がよく現れており、規則的で美しい光の流れを捉えることができました。
この季節ならではの体験¶
杭瀬川での蛍狩りは、初夏の風物詩として地域の人々に愛され続けています。夕方から夜にかけての約2.5時間の体験を通じて、季節の移ろいと自然の美しさを改めて実感しました。
来年もまた、この幻想的な光景を見に杭瀬川を訪れたいと思います。