新穂高ロープウェイで一気に標高2,156mまで上がり、1泊2日で西穂独標(2,701m)に挑戦した記録です。西穂山荘での山小屋泊、新月の夜の天の川撮影、ピラミッドピーク探索、下山後のソフトクリームまで、24枚の写真で綴る充実の山旅をお届けします。
動画で見る西穂独標山行¶
今回の山行の様子を動画でまとめましたので、まずはこちらをご覧ください。
1日目:早朝の新穂高温泉から出発¶
朝7時28分、新穂高温泉の駐車場に到着。澄み切った青空の下、北アルプスの山々が美しいシルエットを描いています。これから始まる1泊2日の西穂独標への旅への期待が高まります。
新穂高ロープウェイで天空の登山口へ¶
7時58分、新穂高ロープウェイ駅舎前にて。新穂高温泉(1,090m)から新穂高ロープウェイに乗車します。日本唯一の2階建てゴンドラで、わずか十数分で西穂高口駅(2,156m)へ。1,066mの標高差を一気に駆け上がる爽快感は格別です。
ロープウェイを降りると、そこはもう標高2,000m超えの高山帯。涼しい空気と開放的な展望台からは、槍ヶ岳や穂高連峰の雄大なパノラマが広がります。
西穂山荘への樹林帯ルート¶
8時58分の樹林帯。西穂高口駅から西穂山荘までは約1時間10分の樹林帯歩き。よく整備された木道が続き、針葉樹林の中を緩やかな傾斜で登っていきます。朝の静寂な森の中での穏やかなひとときです。
9時29分、標高が上がるにつれて岩場が現れ始めます。他の登山者グループと一緒に、慎重に岩場を登っていきます。森林限界に近づくにつれて、徐々に北アルプスの本格的な山岳風景が現れてきます。
西穂山荘到着と絶景パノラマ¶
10時42分、西穂山荘(標高2,367m)に到着。眼下に広がる緑の山々、遠くまで続く稜線、そして北アルプスの雄大な景観を一望できる良い展望です。
11時32分、西穂山荘周辺でチェックインと休憩。西穂山荘は北アルプス南部で唯一の通年営業山小屋。定員300名の大きな山荘で、設備も充実しています。この標高での通年営業は貴重な存在です。
昼食と午後の準備¶
12時51分、山荘での昼食と休憩。午後からの西穂独標へのアタックに向けて、しっかりとエネルギーを補給します。
午後:西穂独標へのアタック開始¶
15時12分、午後からいよいよ西穂独標(2,701m)を目指します。西穂山荘から丸山(2,452m)を経て、約1時間の行程です。
15時38分、森林限界を超えると、北アルプスの稜線らしい岩稜帯が始まります。
15時40分、西穂独標は「独立標高点」の意味で、地図作成時の測量ポイント。正式な山名ではありませんが、多くの登山者にとって重要な目標地点です。独標からの展望は見応えがあり、穂高連峰の主稜線が一望でき、眼下には上高地、遠くには槍ヶ岳の尖峰が見えます。
夕方の山岳風景¶
17時19分、夕方の山岳風景。独標から西穂山荘に戻り、夕暮れ時の美しい山々を眺めます。
夕暮れの山荘¶
19時26分、夕暮れ時の山荘。日が沈み始め、これから新月の夜の天の川撮影に向けて準備を始めます。
1日目深夜:新月の天の川撮影¶
7月27日0時12分、深夜の天の川撮影。今回は新月のタイミングを狙って山行を計画しました。月明かりのない夜は、星景写真撮影には最適な条件です。深夜、西穂山荘から少し離れた場所で天の川撮影にチャレンジ。標高2,367mの澄んだ空気の中、肉眼でもはっきりと見える天の川が夜空を横切っています。
人工光の影響がほとんどない高山帯での星空は格別。無数の星々と、濃い天の川のアーチが夜空を彩ります。新月を狙った甲斐があり、良い星景を撮影することができました。
2日目:夜明け前から日の出まで¶
4時56分、夜明け前の空。星空から徐々に朝の光が差し込み始める、山の朝の特別な時間です。
5時26分、朝の風景。山荘周辺の風景が朝日に照らされ始めます。
5時30分、日の出を迎える準備。山荘から日の出撮影の最適な場所へ移動します。
5時43分、ついに日の出を迎えます。標高2,367mから見る日の出は圧倒的な美しさです。
2日目:下山¶
朝の下山開始¶
6時59分、朝食後、下山を開始します。朝の清々しい空気の中での下山は格別です。
7時20分、下山途中の風景。朝の光が山々を美しく照らしています。
7時46分、下山中の風景。樹林帯を通って西穂高口駅に向かいます。
8時16分、下山終盤。西穂高口駅がもう目の前です。
8時45分、下山完了。新穂高ロープウェイ西穂高口駅に戻ってきました。
2日目:ピラミッドピークへの挑戦¶
実は、今回の山行では西穂独標の先、ピラミッドピーク方面への稜線も歩いてみました。独標から先は岩場が険しくなり、西穂高岳本峰(2,909.7m)への道のりの一端を体感できる区間です。
ピラミッドピークからの眺めも印象的で、西穂高岳への憧れがさらに高まります。今回は時間と装備の関係で本峰は断念しましたが、いつか必ず再挑戦したいと思います。
下山後の楽しみ:新穂高でソフトクリーム¶
12時53分、新穂高ロープウェイの売店にて。下山後の楽しみといえば、やはり地元のソフトクリーム。様々な飛騨の特産品が並ぶ中、登山の疲れを癒してくれる甘いひとときです。
12時56分、お目当てのソフトクリーム。登山で疲れた体に、ひんやりとした甘さが心地よく染み渡ります。29時間を超える山旅の締めくくりにふさわしい、ささやかな贅沢です。
振り返り:充実の1泊2日山行¶
今回の西穂独標1泊2日の山旅は、まさに北アルプスの魅力を凝縮した体験でした:
- 1日目: 新穂高ロープウェイ → 西穂山荘 → 西穂独標アタック → 天の川撮影
- 2日目: 日の出撮影 → ピラミッドピーク探索 → 下山 → ソフトクリーム
アクセス情報: - 新穂高ロープウェイ:新穂高温泉→西穂高口(2,156m) - 西穂高口→西穂山荘:約1時間10分 - 西穂山荘→西穂独標:約1時間 - 西穂山荘:通年営業、1泊2食9,000円
次回への課題¶
今回は西穂独標(2,701m)とピラミッドピーク周辺までの探索でしたが、西穂高岳本峰(2,909.7m)は未踏のまま。本峰への道のりは技術的な岩場が続く上級ルート。装備と技術を向上させて、いつか必ず西穂高岳の頂に立ちたいと思います。
新穂高ロープウェイから始まる西穂高の世界は、アクセスの良さと本格登山の魅力を併せ持つ、北アルプスの入門にふさわしい山域でした。特に新月の夜の天の川と朝の日の出は、印象に残る体験となりました。