スーパーで骨が売っているの、見たことありますか。
ロピアに行ったら、精肉コーナーに牛の大腿骨が並んでいました。こんなものが普通に売っているとは思いませんでした。
去年、鹿の大腿骨と下顎の標本を作ったことがあります。その時の油抜きの苦労を覚えているので、骨を見ると条件反射のようにムズムズしてしまいます。
ローストビーフやら和牛のステーキやらが並ぶ棚の一段に、ラップに包まれた巨大な骨がずらり。値段を見たら税込239円。安い。だしを取る用なのだと思いますが、僕の頭にはもう別の用途が浮かんでいます。
これは標本にしたい。
つい買ってしまう¶
こんなにでかいものを茹でるのは大変だろうな、とは思いました。思いましたが、どうにも欲しくて、つい買ってしまいました。我ながら物好きだと思います。
家に帰って床に置いてみると、改めて大きさに驚きます。両端の関節がごろっと膨らんでいて、いかにも骨という形。脂と肉がまだたっぷり付いています。
どれくらいの大きさか伝わるように、横に塩の瓶を置いてみました。瓶が小さく見えます。テーブルの端から端まで、ほぼ占領するサイズです。
鍋に入りきらない¶
まずは茹でて、肉と脂を落とすところから。さっそく鍋に入れようとして、最初の壁にぶつかりました。
入りきりません。鍋から斜めに突き出してしまいます。とりあえず立てかけるようにして、半分だけお湯に浸けて茹で始めました。
しばらく茹でると、関節のあたりがだんだん白くなってきました。赤かった部分の色が抜けていきます。少しずつ骨らしくなってきて、これはこれで面白い。ただ、鍋から出ている部分は当然火が通りません。これでは全体を均一に処理できない。
バケツと低温調理器¶
そこで考えたのが、低温調理器を使う作戦です。鍋に収まらないなら、もっと大きい容器ごと温めればいい。
青いバケツに水を張って、低温調理器をセットしました。設定温度は62℃。これなら骨全体をじっくり温められます。写真は42℃と表示されていますが、これはまだ始めたばかりで、設定温度まで上がりきっていない途中の様子です。
ところがこのバケツでも、骨が大きすぎて入りきりませんでした。先端がはみ出してしまいます。
仕方なく、もっとでっかいバケツを買ってきました。骨を茹でるためにバケツを買い替える日が来るとは。ビニールで覆って保温し、62℃を目指してひたすら稼働させています。標本作りというより、何かの実験装置みたいになってきました。
まだまだ油が抜けない¶
もう3日くらい茹でています。それでも、まだまだ油が抜けません。
これは途中でお湯から出して、脂の抜け具合を観察しているところです。だいぶ白くなって、見た目はもう立派な骨。ですが、まだ骨の中にも関節の表面にも脂が残っている感じがあります。骨の中までしっかり脱脂するのは手強い。
脂が抜けたら、次はアルコールというかアセトンに漬け込みたいと考えています。ただ、これだけ大きいものをどうやって漬けるのか、それもまた難しい問題で、まだ検討中です。容器をどうするか、量をどうするか。
そんなわけで、今もバケツの中で茹で続けています。標本になるまでの道のりは、まだまだ長そうです。