夏の水晶浜に遊びに行きました。
しばらく水辺でのんびりして、体が水に慣れてきたころに、そろそろ魚でも獲ろうかという気になります。前回は玄関にモリを忘れて泳ぎ釣りに切り替えました。今回は道具を積み忘れてはいません。
そう思っていました。
まあいいか、が二回¶
泳ぐ前に、iPhoneを入れる防水ケースとポーチを手に取りました。
いつものやつだと思っていたのですが、どちらも予備のほうです。
いつも使っているものも家にちゃんとあって、たまたま手にしたのがこちらでした。
まあいいか、と思いました。これが一回目です。
ポーチは外が黒くて、内側だけ派手なオレンジ色です。中に何が入っているか一目で分かるように、わざとそういう色になっています。
違いは、ポーチの中にありました。
いつものポーチには、防水ケースの紐をつなぐカラビナ留めが縫い付けてあります。既製品にはついていないので、私が自分で縫ったものです。ケースをそこにつないでおけば、チャックが開いたところで中身は落ちません。
予備のポーチには、それがありません。
ケースのほうには紐がついているのに、つなぐ先がないわけです。
まあいけるやろ、と思って泳ぎ始めました。二回目です。
オレンジ色が見えました¶
魚を追いかけているうちに、気がつくとだいぶ沖でした。
ふとポーチに目をやると、オレンジ色が見えています。
チャックが開いています。中は空です。
泳いでいる間にどこかで開いて、防水ケースごと落ちたわけです。いつ落ちたのかは分かりません。何かにぶつかった記憶も、軽くなった感覚もありませんでした。
海には道がありません¶
すぐに引き返して探し始めました。
ただ、自分がどこを通ったのか正確には分かりません。
砂地もあれば岩場もあって、魚を追ってあちこち勝手に動き回りました。
海には道がありません。歩いた跡も、目印になるものも、どこにも残らないのです。
だいたいこのあたり、と見当をつけて3往復しました。砂地はどこも同じ砂です。
ありませんでした。
落としたのはiPhone 15 Pro Maxの512GBです。20万円ちょっとで買ったような気がします。だいぶ惜しい。
浜に上がりました。タープとテントが並んで、沖では誰かがボードの上に立っています。夕方の光がやわらかくなって、夏の終わりのいい時間です。この砂浜のどこかの沖に、私のiPhoneが沈んでいます。
一旦ここは引き上げることにしました。また探しに来ます。
敦賀でラーメン¶
浜を出る前にiPhoneを紛失モードにして、敦賀に戻りました。
券売機の周りが賑やかです。唐揚げ5個990円、メンマごはん70円引き。壁の四方から数字が迫ってきます。20万円を海に置いてきた直後に見る金額としては、なかなか刺さるものがありました。
海苔が3枚、チャーシューとキクラゲ、真ん中に赤い辛味噌が乗っています。
赤いレンゲでスープをすくいました。
食べて、帰りました。
道具のこと¶
反省点はいくつもあります。
予備は予備であって、いつもの道具ではありません。
つなぐ先がないと気づいた時点で、家に取りに戻るか、そもそも持って入らないか、判断する場面はあったはずです。
それを二回とも「まあいいか」で通しました。
落ちたのはチャックのせいですが、チャック頼みの状態を作ったのは私です。
道具は、ちゃんと使っているときには意識に上りません。
自分で縫った留めが一つないだけで、これだけ簡単に崩れます。
次に水晶浜へ行くときは、まずポーチの中を確かめます。少し道具について考えます。