旅も中盤です¶
今日も車は直らないようです。プージェさんとデリカは、まだウランバートルからの部品を待っています。今日もナンザイさんの車とガイドで行きます。
夜明けです。分厚い雲の下から、雨の筋が斜めに垂れ下がっています。地平線の際だけがオレンジに光っています。遠くでは雨が振っているのかもしれません。
昨日と同じ宿です。雲の切れ間から光の筋が落ちてきて、ゲルの白い屋根に当たっています。
出発¶
朝の駐車場です。ハッチを開けた車が並んで、みんな荷物を積んでいます。柵の向こうは、もう地平線です。
やっぱりこのバンが気になります。
水色のUAZ。中から手を振ってくれました。
出発です。ナンザイさんの運転で、まっすぐな舗装路を北へ向かいます。
荒野のコンビニ¶
道端にラクダがいます。もう驚かなくなりました。
途中でコンビニに寄りました。大型トラックが停まっていて、周りは砂利です。
中は普通のコンビニです。飲み物、パン、卵、乳製品。
ここで新ズーチトラベルのメンバーと鉢合わせしました。
村がそれほど多くないので、行き先はどうしても重なります。ここが彼らのねぐらのようなものなのでしょう。
ソフトクリームを買いました。向こうにも、同じものを持った手があります。
再出発です。車をおりてナンザイさんが新ズーチのメンバーに道を教えています。
その指の先を見ても、僕には道がどこにもありません。
後で聞くと、GPSは頭の中にあるとのことでした。何か見えたら左、また何か見えたら右。そういう教え方をしていたようです。
ナンザイさんは凸凹の少ない道筋を知っていて、それを伝えていたのだ、とのことでした。
ほかの車に道を教える側です。新ズーチトラベルでも古株の方なのかもしれません。
プージェさんの車が壊れてしまったぶん、責任を持って僕たちを引き受けてくれているのだろうか、とも思います。
動物が渡ります¶
牛の標識です。動物が渡るので注意、ということです。
実際に渡ってきます。
ルーフに荷物を積んだランドクルーザーとすれ違いました。向こうから来る車も、みんな屋根に何か載せています。
昼¶
昼にしました。白いプラスチック椅子がずらりと並んだ、新しくてきれいな食堂です。
ホーショールです。ナンザイさんが、これは食べさせたいと言っていた料理でした。
小麦粉の生地に羊のひき肉を包み、半月型に閉じて油で揚げてあります。青いカップにお茶、隣にスプライト。
3日目に出てきたボーズが蒸したものだとすると、こちらは揚げたほうです。モンゴルではこの二つが定番なのだそうです。
骨だらけの廃墟¶
午後は廃墟へ向かいました。旧ソ連時代の工場か作業所だったそうです。
入口のあたりで、まずこれです。
崩したレンガの山に、頭骨が転がっています。角がなく、鼻先が長いので、ラクダのようです。ペットボトルや空き缶と一緒くたです。
地面を見ると、下顎の骨、角、脚の骨。数えるのが面倒になる数です。
食べた後のゴミだそうです。牛、馬、ヤギ、ラクダ。羊もあるかもしれません。
僕は動物の骨を集めるのが好きです。ですから、ここはかなり面白い場所でした。
ただ、馬の頭骨は大きすぎて持って帰れません。それに、これだけたくさんあると珍しいものではなくなってしまいます。少し残念でもありました。
それでも、大変よかったです。
建物のほうです。窓の抜けたレンガの壁が、一列だけ残っています。
こちらはまだ形をとどめています。入口の枠だけが白く塗られています。
奥へ行くと、コンクリートの柱だけが林のように立っています。壁は瓦礫になって足元に散っています。
一枚だけ大きな壁が残っていて、白い看板の痕が並んでいます。左端のものには、ヘルメットをかぶった人の絵が見えます。
見上げると、白と赤のレンガが途中で切り替わっています。継ぎ足して建てたのでしょうか。
以前はもう少し建物の形をしていたそうです。いまは取り壊している最中とのことでした。
崩した先から瓦礫が積まれて、その上をまた歩きます。
草の中にも一つ。角のついたままの頭骨です。
歯の残った顎の骨。奥には例の柱が立っています。
ここにはゲルに住んでいるおばさんがいて、彼女に許可をもらって入っています。廃墟でも、持ち主はいるわけです。
壁で囲む村¶
さきほどのおばさんのゲルです。塀に囲まれた敷地の中に、一つだけ建っています。
風が強くて砂が飛んでくるので、みんな壁で囲うのだそうです。言われてみると、どの家も同じ様式です。
上から見ると、その様式がよく分かります。四角い区画が地平線の方まで続いていて、その中にゲルや平屋が入っています。手前には建設中の集合住宅。
一つの区画に、ゲルが3つと車が3台。塀の外は砂です。
ウランバートルまで700キロ¶
北へ行くほど、地面が緑になっていきます。ゴビが終わったのだと分かります。
工事のため、また草原を直接走ることになりました。轍の跡すらないところを進みます。
草原の真ん中に、金網で囲われた石柱が2本立っています。古い遺跡の類だそうです。
2台で土埃を上げて走ります。丘の上に工事の車列が見えます。あの向こうが本来の道です。
本当に誰も走っていない場所を走っています。少しだけ不安になります。
休憩でドローンを上げました。上から見ると、車は緑の中の点です。
ナンザイさんのお母さん¶
道沿いに、本物の遊牧民のゲルがあります。馬が一頭つながれていて、バイクと青いトラックが停めてあります。
ウランバートルが見えてきました。トタン屋根の家が斜面にびっしり並んで、その奥に高層ビルが立ち上がっています。
ナンザイさんは日本からのお土産をもらったそうで、それを届けにお母さんの家へ寄りました。
ご本人が出てきてくださいました。お母さん、こんにちは、という感じです。
また走り出します。板塀と赤い屋根が続きます。
Airbnb¶
今日の宿は Airbnb です。青い鉄の扉から中へ入ります。
中は新しくて、床もきれいです。1泊15,000円ほどです。
結構良い部屋です。5日ぶりに、ゲルではないベッドで寝ます。
外に出ました。夜の10時半でも、ゴミ収集車が動いています。
火鍋¶
夕飯はしゃぶしゃぶのような火鍋の店です。キムチ、ごまのついた揚げ物、チャーハン。薬味が四つに区切って並んでいます。
肉は3種類でした。牛と羊と馬です。大皿に薄く広げてあって、これを鍋にくぐらせます。
これが結構おいしいのです。
しっかりしたお店でした。2人で6000円ほど。日本円にすると安いのですが、こちらでは比較的高級な食事だと思います。
店を出て歩いていると、モダン・ノマドという店の前を通りました。都会にもノマド(遊牧民)ですね。シェアオフィスでしょうか
深夜0時のカフェ¶
その後はカフェに行きました。頼んだのはコーラです。
中庭にオレンジの傘が何十本も吊るしてあって、噴水があって、自転車が宙に浮いています。
別の店では、天井いっぱいに電飾が張ってあります。席は埋まっています。時刻は0時を回っています。
ウランバートルは都会です。ここだけ見ていると東京のようです。
座っているお客さんの顔もアジアの顔なので、そんなに違和感がありません。
路地に電動バイクが停めてあります。上には電球が渡してあります。
Airbnb に戻ります。
結局、ウランバートルはほとんど観光していません。ここで一日入れてもよかったのですが、明日にはまた出てしまいます。
5日目を終えて¶
- ゴビからウランバートルまで、700キロほどの移動でした
- 工事区間では舗装路を外れて草原を直接走ります。轍のないところも走るので、時間は読めません
- 旧ソ連時代の工場跡には骨が大量に落ちています。食べた後のものだそうです
- Airbnb は1泊15,000円ほど。火鍋は2人で6000円ほどで、こちらでは高めの部類だと思います
- 都心のカフェは0時を過ぎても席が埋まっています
車はまだ直りません。
明日はセミゴビ砂漠へ行きます。
この旅の記事シリーズ¶
モンゴル 8日間の旅(2026年8月9日〜16日)
- Day 1: モンゴル テレルジ国立公園 - 仁川経由のゲル泊と、ガソリンのない首都
- Day 2: ゴビ砂漠へ - ツァガーン・スワルガの断崖と、ゲルに降る天の川
- Day 3: ヨリーン・アム渓谷とホンゴル砂丘 - ヒゲワシの谷と、動かなくなった車
- Day 4: バヤンザグ - 恐竜の卵が見つかった崖と、直らない車
- Day 5: ゴビからウランバートルへ - 廃墟に散らばる骨と、700キロの帰り道
- Day 6: セミゴビからカラコルムへ - 廃墟で涼む馬と、ゲルの上の天の川
- Day 7: モンゴル最終日 - 草原を自転車で走り、最後まで羊でした